扶養内とは、「扶養控除が受けられる範囲の中で働く」という意味です。具体的には、「税制上の」扶養として配偶者控除・配偶者特別控除の対象となれる、「社会保険上の」扶養として配偶者の保険に被扶養者として入ることができる年収額の範囲内で働くことをいいます。「〇万円の壁」などと言われているのを聞いたことはあるかと思います。壁はいくつかありますが、これは税制、社会保険それぞれの制度による違いです。年収が100万円を超えると、住民税の納税義務が発生します。年収が103万円を超えると、所得税の納税義務が発生し、38万円の配偶者控除が適用されなくなります。年収106万円を超えると規模の大きい会社で特定の条件を満たす働き方をしていた場合、社会保険上の扶養から外れます。年収130万円を超えると、勤務先の規模や勤務条件にかかわらず扶養者の社会保険の被保険者から外れます。年収150万円までは配偶者特別控除の恩恵を受けて最大38万円の控除を受けることができますが、年収150万円を超えると配偶者特別控除額が減少し、その分税負担が増加します。扶養内で働く場合には家庭の収入状況を把握した上で、年収をいくらに収めると何の負担が軽減できるのか理解し、年収を決め、どのくらいの日数・時間働くか、自分である程度の基準を設けるのが良いでしょう。
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